一般財団法人巌鷲寮

理事長 昆 泰寛

巌鷲寮(佐藤、新渡戸記念寮)を管理運営する財団法人は1927年に設立され、現在の建物は4代目となります。原則、岩手青森県出身者を中心とした郷土寮として始まっていますが、今や日本中各地から入寮するようになりました。また、当初は北大生に限った入寮形式であったため、「北大巌鷲寮」とかんむりがつけられておりましたが、現在では北大生に限らず札幌圏内に通う大学生を対象としています。また、女性も入寮可能となった点は、3代目までの寮で暮らした諸氏には信じられない改革と映ることでしょう。

寮のモットーはBe social! Be gentleman! 在寮生は意味するところを常に考え、そして行動することが求められます。学び舎である各人の大学・部局とは違い、寮の日常は語り合うこと、協力し合うこと、相手を思い合うことが最も大切なことと思います。ときには礼儀正しく名誉を重んじるリーダーとして、またときにはボランティアの精神を持ち合わせ縁の下の力持ちとして行動することが必要でしょう。寮生は一生の友人であると同時に、この寮の名誉を受け継ぐ証人でもあります。この寮で生活できて良かったと思える思い出をたくさん作ってくれているでしょう。この寮誌にはこれらの思い出が詰まっています。過日、私が入寮した当時の寮誌を見る機会がありました。何を書いたか恥ずかしくて申せませんが、前を見ているようで危なっかしい自分が紙面から覗いて見えました。この話は後日にしましょう。

寮を示すドミトリー (dormitory) の本来の意味は「共同の寝室」です。生きとし生けるものが必ず持つ欲求の一つである睡眠を掌る貴重な場所であります。いかなる動物も最も心を許し共に安寧を保つ時間です。現在の寮は個室制となってしまったため、本来の意味を失いつつあるかもしれません。そうならない意味でも、お風呂だけでも一緒にはいって裸のつきないを勧めます。今年度は川原聡史くん、新沼 奏くん、六浦和明くん、鬼頭駿一くん、平川悠樹くん、小川健斗くん、長沼 遼くんが退寮です。寮の歴史を作ってくれてありがとう。これからもジェントルマンであらんことを祈ります!小林立朋くん、中村嘉克くん、久語佑希くん、口町和香くん、牛 媛南くん、遠藤加奈くんが入寮です。バリエーション(男女、大学、出身)があって楽しみです。今までにない、札幌の拠点としての交流が生まれるものと期待しています。



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